認知症リスクをチェックする新しい評価尺度「J-MCI」とは?

公開日: 更新日:

 前回、認知症の診断に必要な検査の方法についてお話ししました。認知症は早期に診断し、早期に治療を開始すると、病状の進行をある程度遅らせられると知られています。一方、ある調査では「認知症の症状が見られ始めてから病院を受診するまでに平均4年かかる」との報告もあり、解決が必要な問題とされていました。

 そこで、私が理事を務める日本老年精神医学会は、認知症のリスクをチェックできる新たな評価尺度「J-MCI」を開発しました。日々認知症患者の診療にあたる認知症専門医らによって厳密に選ばれた13の質問項目に本人と家族が「はい・いいえ」で回答すると、「認知症の傾向あり」「グレーゾーン」「問題なし」のいずれかに判定されます。

 これまでJ-MCIを受けた方たちの結果を解析したところ、本人は家族に比べて3分の1程度症状を軽く評価する傾向が見られました。そのため、アルゴリズムを用いて両者の結果が同じになるよう回答に重要度をプラスし、誰が回答しても同じ判定ができるようになりました。

 具体的なチェック項目は次の通りです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…