認知症終末期の親が誤嚥しないための食事介助法は?
まず、誤嚥を防ぐために、水分にはとろみをつけ、おかゆや茶碗蒸しなど軟らかくてまとまりがあり、のみ込みやすい食事メニューを心掛けてください。患者さんによっては、とろみをあまり受け付けない方も少なくないので、その場合には本人が好んで食べられるゼリーなどで代用しても構いません。
次に、食事中の姿勢も重要です。顎が上を向いて頭が後方へのけ反ると誤嚥しやすくなります。食事介助中は、顎が上を向かないよう介助者は本人と目線を合わせ、軽く顎を引いた状態を維持してください。
また、認知症終末期の方は、うとうとした状態が続く傾眠傾向が見られやすいので、食事の時間は朝昼晩こだわらず、本人の覚醒状態に合わせた食事の時間を設けることが大切です。食べ残しがないよう不織布ガーゼや口腔ケア用のウエットシートで口の中をよく拭いたり、歯が残っている人であれば日頃からしっかりと歯磨きをして、口の中の清潔を保ちましょう。
これらの工夫により、最期まで口から食べられることができました。この男性は、「食事介助が父親とのコミュニケーションツールとして最期まで続けることができて良かった」と、晴れやかな表情で語ってくれました。