会話ができない認知症晩期の患者で注意するポイントは?

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 認知症の進行度を評価するスケール「FAST」によると、晩期は発症から3~4年後に訪れるとされています。晩期になると、言語機能が低下するため話せる言葉は数単語程度しかありません。同時に運動機能も低下するので患者さんはだんだん歩けなくなり、座っていることも難しく、最終的には寝たきりになります。認知症を発症すると神経細胞が徐々に死滅していくことから、これらの症状が起こります。

 晩期の患者さんの場合、寝たきりまで進行すると活動性が落ちて食欲も低下します。食事を取らなくなり喉の機能も弱くなって誤嚥肺炎を起こし、そのまま亡くなるケースが多いです。誤嚥性肺炎を防ぐために、自力で食事が取れなくなった場合は点滴や人工栄養からの流動食を検討しますが、一方では非人間的であるという見方もあり、倫理的な課題になっています。

 流動食には、鼻からチューブを入れ、胃まで直接栄養を届ける「経鼻胃管」と呼ばれる方法があります。ただ、患者さんが自分でチューブを抜いてしまう可能性があり、入れ直すとなると医療従事者が行わなければなりません。代わりに、お腹に小さな穴を開けチューブで胃へ直接栄養を届ける「胃ろう」の方が、入れ直しのリスクはなく安全です。ですが、これにも倫理的な問題が付きまといます。

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