真夜中の「トイレ」で命を失わない…2月は寒冷ストレスが蓄積
実際、便秘の人はそうでない人に比べてこれらの病気を発症しやすいことがわかっている。突然死全体のうち5%は、高齢者のトイレでの脳卒中や心筋梗塞が占めるといわれ、心疾患による突然死の約8%がトイレでの排便中に起きている。
大事なことは日頃から便秘にならないよう、白菜など食物繊維の多い野菜、納豆やヨーグルトといった発酵食品を意識して取り、お通じを良くするよう努めることだ。
トイレでは排尿失神にも注意したい。
「おしっこをぎりぎりまで我慢していると血圧は上昇します。その状態で排尿すると血圧が一気に下がり、脳への血流が乏しくなって意識を失ってしまうのです。立位で排尿する男性に多く、中高年の過労で自律神経が弱っている人、お酒の利尿作用で頻繁に排尿に行く人、高血圧の人などは注意が必要です」
排尿失神自体は脳血管疾患や心血管疾患とは異なり、時間が経てば回復する。が、怖いのは夜中のトイレで意識を失い、排尿失神による転倒で頭などを強く打ち、脳振とう、脳挫傷、急性硬膜外血腫などが起きた場合だ。
「排尿失神が起きたときのダメージを小さくするため、男性も座って排尿するよう心がけましょう」