真夜中の「トイレ」で命を失わない…2月は寒冷ストレスが蓄積
「血圧の高い人は、冬と夏の血圧差が10㎜Hgある人も多く、なかには20~30㎜Hgも違う場合もあります。ところが、自分は血圧コントロールができていると勝手に思い込んでいる人は少なくありません。私は自身の体調を医師や家庭用血圧計などの検査数値など、他人任せ、機械任せにして安心するのは間違いだと思います。医師や検査機器が正常を示していても、『なんだかいつもと違う』と感じることはあるものです。自分の体調は自分にしかわからない。リスクの高い冬の夜中は動き出す前に『いま動いて大丈夫か』などと体調について自問自答することが大切だと思います」
そもそも寝ている人が起き上がって体を動かすには脳は大量の血液を必要とする。加齢などで動脈硬化が進んで血液が流れにくい人は、急に立ち上がると血液の供給が間に合わず、立ちくらみや転倒を起こす。
■排尿失神にも要注意
夜中にトイレに行く場合は、ガウンなどを羽織り、スリッパを履くなどして暖かい格好をすることだ。
「トイレでは強くいきんではいけません。軽くいきむだけで最大血圧は60~70㎜Hg上昇するといわれています。ところが活動量が減り腸の動きが衰える中高年の多くは便秘がちで、なんとか排便しようとさらに強くいきもうとする。そうなれば血管にさらなる負担がかかり、最大血圧はさらに上昇し、脳卒中や心筋梗塞を発症しやすくなります」