著者のコラム一覧
出井康博ジャーナリスト

いでい・やすひろ 1965年、岡山県生まれ。早大政経学部卒業。英字紙「THE NIKKEI WEEKLY」記者などを経て、フリー。著書に「移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線」(角川新書)、「ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)など。

(1)ベトナム人を食い物に…「コロナ禍での鎖国反対」の大合唱に透ける“本音”

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスの水際対策が先月1日から緩和されて、外国人の技能実習生や留学生の来日が本格化している。そこで息を吹き返すのが、外国人の受け入れで利得を得る連中だ。国籍別の技能実習生で最多のベトナム人を食い物にする利権の構造に迫る──。

「隔離先のホテルは、ベトナム人の実習生や留学生であふれ返っていました。チェックイン前、コロナ関係の書類を書かされていた時も、周りから聞こえてくるのはベトナム語ばかり。まるで、ハノイかホーチミンにいるみたいでした」

 そう話すのは、3月下旬に帰省先のベトナムから日本へ戻ってきたグエンさん(女性・30代)だ。

 ベトナム人の夫と一緒に東京で会社を経営しているグエンさんは、ベトナムの旧正月「テト」を挟んで約2カ月を故郷で過ごしていた。そして日本に再入国後、新型コロナ「水際対策」で、東京都内のホテルに3日間隔離されることになった。

「ハノイの空港でも日本へ行くベトナム人が長い列をつくっていた。ああ、また出稼ぎラッシュが再開するんだな、って実感しました」

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  2. 2

    「相棒」芹沢刑事役の山中崇史さんが振り返る俳優人生…地下鉄サリン事件「忘れられない」

  3. 3

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    西武・鳥越裕介ヘッドコーチ「厳しく指導?僕は基本、怒らないんですよ。ただ…」

  1. 6

    巨人・田中将大の早期二軍落ちに現実味…DeNA二軍の「マー君攻略法」にさえなす術なし

  2. 7

    ニデック永守重信会長の堪忍袋の緒が切れる? 「売上高4兆円」達成に不可欠な牧野フライスの買収が難航中

  3. 8

    兵庫県・斎藤知事パラハラ認定にも無敵の“居座り” 「公務多忙」理由に第三者委報告書にコメントしない厚顔

  4. 9

    佐々木朗希「通訳なし」で気になる英語力…《山本由伸より話せる説》浮上のまさか

  5. 10

    復権狙う自民旧安倍派にトドメ!「10万円商品券」配布問題でチルドレンが石破首相に“助け船”の爆弾証言