(1)ベトナム人を食い物に…「コロナ禍での鎖国反対」の大合唱に透ける“本音”
新型コロナウイルスの水際対策が先月1日から緩和されて、外国人の技能実習生や留学生の来日が本格化している。そこで息を吹き返すのが、外国人の受け入れで利得を得る連中だ。国籍別の技能実習生で最多のベトナム人を食い物にする利権の構造に迫る──。
「隔離先のホテルは、ベトナム人の実習生や留学生であふれ返っていました。チェックイン前、コロナ関係の書類を書かされていた時も、周りから聞こえてくるのはベトナム語ばかり。まるで、ハノイかホーチミンにいるみたいでした」
そう話すのは、3月下旬に帰省先のベトナムから日本へ戻ってきたグエンさん(女性・30代)だ。
ベトナム人の夫と一緒に東京で会社を経営しているグエンさんは、ベトナムの旧正月「テト」を挟んで約2カ月を故郷で過ごしていた。そして日本に再入国後、新型コロナ「水際対策」で、東京都内のホテルに3日間隔離されることになった。
「ハノイの空港でも日本へ行くベトナム人が長い列をつくっていた。ああ、また出稼ぎラッシュが再開するんだな、って実感しました」