著者のコラム一覧
出井康博ジャーナリスト

いでい・やすひろ 1965年、岡山県生まれ。早大政経学部卒業。英字紙「THE NIKKEI WEEKLY」記者などを経て、フリー。著書に「移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線」(角川新書)、「ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)など。

(1)ベトナム人を食い物に…「コロナ禍での鎖国反対」の大合唱に透ける“本音”

公開日: 更新日:

 外国人の新規入国が止まっていた頃、産業界や学校業界、また新聞・テレビでも、「鎖国をやめろ!」との大合唱が起きていた。

「諸外国は外国人を入れ始めている。日本だけが鎖国を続けていれば、グローバル化から取り残されてしまう」

 そんな主張がメディアにはあふれていた。

 筆者も「鎖国」を続けるべきだとは思わない。ただし、“本音”を隠しての「鎖国反対論」には強い違和感を覚える。

■出稼ぎ労働者の受け入れ再開を望む産業界

 実習生は日本人の嫌がる仕事を低賃金で担う出稼ぎ労働者だ。留学生にも出稼ぎ目的の外国人が多数含まれる。つまり今回の水際対策緩和も前回と同様、目的は出稼ぎ労働者の受け入れなのだ。

 その最大のターゲットが「ベトナム人」だ。彼らの受け入れ再開には、さまざまな業界の利権が絡み合う。国民に“本音”を明かしてはマズい事情が存在するのである。(つづく)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  2. 2

    大山悠輔逃し赤っ恥の巨人にOB評論家《良かった》 FA争奪戦まず1敗も…フラれたからこその大幸運

  3. 3

    パワハラ騒動で楽天退団 安楽智大の去就どうなる? 兄貴分・田中将大の自由契約で話題沸騰中

  4. 4

    過去最低視聴率は免れそうだが…NHK大河「光る君へ」はどこが失敗だったのか?

  5. 5

    田中将大獲得に及び腰なのは《復活うんぬん以前の問題》…“外野”がフォローするほど現場との温度差浮き彫り

  1. 6

    大逆風の田中将大まさかの〝浪人〟危機…ヤクルト興味も素行に関する風評が足かせに

  2. 7

    巨人が“大山資金”で怒濤の上積み…FA石川柊太争奪戦で5球団「3年6億円」横一線の均衡破る

  3. 8

    《次の朝ドラの方が楽しみ》朝ドラ「あんぱん」の豪華キャストで「おむすび」ますます苦境に…

  4. 9

    フジテレビ『ザ・ノンフィクション』で注目された50代男性の裏話と結婚できる中高年の境界線 

  5. 10

    石破政権を直撃!岩屋毅外相につきまとう「100万円」疑惑…米国発カジノ汚職で再燃