(1)ベトナム人を食い物に…「コロナ禍での鎖国反対」の大合唱に透ける“本音”
外国人の新規入国が止まっていた頃、産業界や学校業界、また新聞・テレビでも、「鎖国をやめろ!」との大合唱が起きていた。
「諸外国は外国人を入れ始めている。日本だけが鎖国を続けていれば、グローバル化から取り残されてしまう」
そんな主張がメディアにはあふれていた。
筆者も「鎖国」を続けるべきだとは思わない。ただし、“本音”を隠しての「鎖国反対論」には強い違和感を覚える。
■出稼ぎ労働者の受け入れ再開を望む産業界
実習生は日本人の嫌がる仕事を低賃金で担う出稼ぎ労働者だ。留学生にも出稼ぎ目的の外国人が多数含まれる。つまり今回の水際対策緩和も前回と同様、目的は出稼ぎ労働者の受け入れなのだ。
その最大のターゲットが「ベトナム人」だ。彼らの受け入れ再開には、さまざまな業界の利権が絡み合う。国民に“本音”を明かしてはマズい事情が存在するのである。(つづく)