「袴田事件」は58年間…日本の再審制度は時間がかかりすぎる
1966年、静岡県で一家4人が殺害された「袴田事件」は、冤罪の疑いがあることで有名な事件です。死刑判決を言い渡された袴田氏は、58年もの間、無罪を訴え続けています。その再審で22日、検察側は改めて「死刑」を求刑しました。
日曜ドラマ「アンチヒーロー」でも、冤罪と闘う弁護士のストーリーが展開されており、注目を集めていますが、冤罪を晴らすのは容易なことではありません。
日本には、冤罪を晴らすための制度として「再審制度」という裁判のやり直しをする制度があります。しかし、再審制度の開始決定率は0.4%にすぎません。袴田事件のように、死刑判決で再審が行われたのはたったの4件です。この数字からもハードルの高さがうかがえます。
その要因として、まず再審請求をするには自ら弁護人を雇う必要がありますが、その金銭面から、再審をしようとすること自体が容易ではないのです。そして、裁判所は過去の判決を覆されては裁判の意味が薄れてしまうことから、判決を維持することを重視し、よほどのことがなければ再審を認めません。さらに裁判所により、ようやく開始決定がされても、検察側からの「抗告」という不服申し立てによって退けられることがほとんどです。