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内田正治タクシードライバー

1951年埼玉県生まれ。大学卒業後、家業の日用品、雑貨の卸会社の専務に。しかし、50歳のときに会社は倒産。妻とも離婚。両親を養うためにタクシードライバーに。1日300キロ走行の日々がはじまった。「タクシードライバーぐるぐる日記」(三五館シンシャ)がベストセラーに。

(27)大女優と“夢の競演”も…携帯電話で話す乗客にはしばしば驚かされる

公開日: 更新日:

■「真ん中ばかり集める」の真相は

 彼女はクルマに乗り込むとすぐに携帯電話を取り出し、誰かと会話を始めた。私の耳を気にかける様子もない。

 愉快そうに「○○さんったら、真ん中ばっかり集めるんだよね」と話している。はじめは「?」の私だったが、ハタと彼女が麻雀帰りであることに気づいた。

 麻雀を知っている読者ならご理解いただけるだろうが、彼女の言う「真ん中ばかり」とは麻雀の役作りで、一九字牌を除いた二から八までの数牌だけで手牌を完成させるタンヤオという役のことなのだ。

 乗車中、ほとんど麻雀談議に花を咲かせていたが、偉ぶる様子はまったくなく、気さくな会話を楽しんでいた。私は聞き覚えのある彼女のすてきな声に感動し、そして背後に並々ならぬオーラを感じながら運転を続けていた。

 ドライバーとして、お客の会話に耳をそばだてているのは決して褒められる行為ではないが、聞こえてくるものはどうしようもない。道中、会話を交わすことはなかったが、降りるとき「どうもありがとう」とやさしい言葉を頂戴した。私にとっては「ドライバーとお客」の夢の競演だった。

 おそらく、降ろした後、ハンドルを握る私はお地蔵さまのような穏やかな顔つきをしていたにちがいない。

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