JV-ITホールディングス 猪瀬ルアン社長(4)離職率が40%から1%に
「JV-ITホールディングス」は、日本に本社を置く、スマホアプリをベトナムで委託開発している会社だ。創業社長の猪瀬ルアンは、9歳の時、ベトナムから難民として来日している。
慶大を卒業し、日本で4年間働いた後、いったん祖国に戻り、2005年、ベトナムで事業をはじめた。猪瀬は26歳の時、日本国籍を取得している。
倒産の危機に直面しながら、日本企業からシステムのオフショア開発の仕事を受注し、17年には、社員も100人超にまで増えていた。
ところが、中途採用が多くなったため、給与や待遇の面でひずみが出てしまう。その結果、離職率が何と4割を超えてしまった。
「祖国ベトナムを豊かにしようと立ち上げたのに、これじゃ意味がない。猛省して、一切の評価管理をやめることにしました」
■社員のモチベーションが上がった
組織としての上下関係をなくし、会社の運営は何をするにも社員からアンケートを取って決めることにした。給与体系は能力やスキルに応じた3つのステージを用意し、その中で自動昇給する仕組みに変更。