アララ 岩井陽介会長(2)残業100時間が続いたリクルートコスモス時代
外食チェーンや弁当チェーン、スーパーなどに独自のPayシステムを提供している東証グロース上場のアララ。
アララが提供するシステムを導入すると、外食チェーンやスーパーは、自社独自のプリペイドカード・スマホでのPayサービスを作ることができる。しかも、従来のクレジットカードや一般的なキャッシュレス決済に比べて手数料が安い。
創業社長の岩井陽介が、基礎を固めたのはサラリーマン時代だったという。
1989年、岩井は関西学院大学を卒業後、リクルートコスモス(現コスモスイニシア)に入社した。23歳の時だ。リクルートコスモスは、求人情報誌のリクルートを立ち上げた江副浩正が創業した不動産会社。ベンチャー企業だけあって当時、社員の平均年齢は25歳と若く、活気にあふれていた。同期は約300人もいたという。
最初に配属されたのは広報室だった。当時、リクルートグループは上場を予定していたリクルートコスモスの未公開株を政官財に配ったことから、これが贈収賄事件に発展した。いわゆるリクルート事件である。岩井が広報室に配属されたのは事件の真っただ中だった。連日、メディアが殺到した。