ティーケーピー 河野貴輝社長(1)貸し会議室で急成長「物を持たない商売」の原点
「祖父が台帳にいろいろ書き込んでいるのを見て始めたんです」と河野氏。同県別府市に住む母方の祖父はスポーツ用品店を中心に、ジーンズショップやプラモデル屋など当時の流行をおさえて事業を展開する事業家だった。河野少年は休みのたびに祖父のもとへ遊びに行っていたという。
「スポーツ用品店にしては商品が少ないので不思議に思っていると、祖父は『店にないものも買えるよ』と言いました。BtoBとカタログ通販に特化していたんです。そこで物を持たずに商売ができることを知りました。また、夏季に経営していた海の家には10分100円で遊べるトランポリンがあった。置くだけでお金が稼げる仕組みがすごいと思ったんですが、なかなかお客さんが来ません。そこで私が友達と遊びだすと人が集まってくる。まき餌による集客法の効果を子どもなりに学びましたね」
祖父と過ごす日々に経営者としての原点があったと河野氏は振り返る。
高学年になるとステレオ送信機を用いてミニFM局を開局。免許不要な微弱電波を使うため放送範囲は半径100メートル程度だが、毎日放送していたという。