ティーケーピー 河野貴輝社長(1)貸し会議室で急成長「物を持たない商売」の原点
都会の駅前などで見かける赤地に白文字で描かれた「TKP」のロゴマーク。会議室・宴会場などを運営する貸会議室業大手「株式会社ティーケーピー」(以下TKP)のロゴだ。同社の代表取締役社長・河野貴輝氏は、1972年に大分県大分市で生を受けた。幼少時のバイブルはトーマス・エジソンの伝記。理科全般が大好きな、探求心が人一倍強い子どもだった。
「小学校低学年の頃に夢中になったのは生き物の繁殖です。ニワトリを飼って効率的なふ化の方法を調べては試していました。さすがに人肌ではふ化できなかったけれど、30羽まで増やしたから大変。毎朝コケコッコーの大合唱です(笑)。金魚や犬も繁殖させたので家中が賑やかでした。ところが住宅地に引っ越すことになり、ニワトリは牧場で引き取ってもらうことに。1週間後に牧場に会いに行ったらどこにもいなくて、食べられちゃったのかもと泣いたのを覚えています」
■「こども記者」の謝礼でビーカーを買う理科系少年
3年生の時には地元新聞社の「こども記者」という企画で記事を書き、もらった謝礼でビーカーや試験管を購入。新しいアイデアを思いつくと実験をして、発明台帳に書き込んでいた。