姫田小夏
著者のコラム一覧
姫田小夏ジャーナリスト

中国・アジアを身近に捉える取材に取り組む。中国ウオッチは25年超、中国滞在経験も長い。アジア・ビズ・フォーラム主宰。日刊ゲンダイでの連載などをもとに「ポストコロナと中国の世界観 」(集広舎)。

中国資本による日本語学校経営の功罪…「企業統治」に難、一目置くべきは「合理化」

公開日: 更新日:

 10万人を超える日本の中国人留学生市場を相手に、事業を急拡大させる中国系の留学生ビジネスだが、急拡大ゆえの組織基盤のもろさや、企業統治や情報開示が追いつかない現状が指摘されている。特に「トップダウン型」の中国系企業には、「従業員全体の参加で社内をよりよく」の気概に乏しいところもある。

 ある中国系の日本語学校の事務職は「内部組織はあまりにお粗末。すべて日本語教師に押し付けで、幹部は問題を見て見ぬふり。校内環境を向上させようという意識などほとんどない」と明かす。日本語学校を買収したはいいが、「学校づくり」「会社づくり」においては“お手上げ”のようだ。

 また日本語学校の中には、中国人の日本語教師の採用を積極的に行っているところもある。「給料に不満を持つ日本人教師と入れ替わるようにして、最近多くの中国人教師が教壇に立つようになった」という話もある。

 雇用までも置き換えが進んでいくのかと、ヒヤリとさせられるが、中国人留学生からは「複雑な文法は中国人教師から教えてもらった方がわかりやすい」という声も上がる。考えてみれば、日本の学校教育でも生徒は日本人から英語を学んでいる。だが、発音や助詞の使い方が不得意で、中国人教師には“日本語ネーティブ”のようにはいかないハンディもある。そこは補完関係が必要とされるところだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

  2. 2
    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

  3. 3
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 4
    巨人・菅野智之の忸怩たる思いは晴れぬまま…復活した先にある「2年後の野望」 

    巨人・菅野智之の忸怩たる思いは晴れぬまま…復活した先にある「2年後の野望」 

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

  2. 7
    「つばさの党」ガサ入れでフル装備出動も…弱々しく見えた機動隊員の実情

    「つばさの党」ガサ入れでフル装備出動も…弱々しく見えた機動隊員の実情

  3. 8
    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

  4. 9
    ビール業界の有名社長が実践 自宅で缶ビールをおいしく飲む“目から鱗”なルール

    ビール業界の有名社長が実践 自宅で缶ビールをおいしく飲む“目から鱗”なルール

  5. 10
    悠仁さまが10年以上かけた秀作「トンボの論文」で東大入試に挑むのがナゼ不公平と言われるのか?

    悠仁さまが10年以上かけた秀作「トンボの論文」で東大入試に挑むのがナゼ不公平と言われるのか?