いびつな日本経済…「円安」に喘ぐ庶民と好決算の大企業 主要メーカー109社「増収増益」5割
ウハウハのようだ。庶民は「円安」に喘いでいるが、主要メーカーは円安の恩恵を享受していることがわかった。
東京商工リサーチの調査によると、上場している主要メーカー109社は、2024年3月期につづき、2025年3月期の決算でも「好決算」を見込んでいるという。
2024年3月期決算では、前期比「増収増益」が58社(53.2%)と半数以上を占め、「増収減益」24社、「減収減益」21社、「減収増益」6社の順だった。
2025年3月期も、この傾向がつづきそうで、業績見込みは「増収増益」52社、「増収減益」28社、「減収減益」17社、「減収増益」12社だった。
輸出比率の高い大手メーカーにとって、やはり「円安」は追い風ということだ。主要109社は、2025年3月期決算の「想定為替レート」を1ドル=143.5円(平均値)に設定しているが、為替は1ドル=160円まで「円安」が進み、2025年3月期も空前の好決算を記録する可能性が高い。
庶民と中小企業は円安がもたらす「物価高」(コスト高)に悲鳴をあげているのに、輸出大企業だけはボロ儲け──という「ねじれ」が広がっている。経済評論家の斎藤満氏がこう言う。