安い肉は日本にはもうない! 牛肉に続き豚肉、鶏肉も高騰…物価高が小規模飲食店を直撃
家計の味方にまたしても異常事態だ。
牛肉に続き、割安感のあった豚肉まで高騰している。農林水産省畜産局の食肉鶏卵課によると、疾病などの影響で欧州での豚肉の生産が落ち込み、現地価格が上昇。そこに円安が重なり、輸入豚肉の国内卸値が1年間で2割から4割ほど上昇しているという。さらに困ったことに、外国産の高騰で国産品への切り替えが進み、需要が高まったため国産豚肉の価格も上昇しているのだ。
家計への打撃はそれだけではない。鶏肉の価格も上昇している。中東などで需要が高まり輸入鶏肉の相場が押し上げられ、円安も重なったことで、直近で安値だった昨年12月と比べると、国内卸値が約10%上昇している。
現在、価格が安定しているのは国産の鶏肉のみ--という状況だ。庶民の味方だった輸入豚も、輸入鶏も、軒並み値上がりしてしまった。
食肉の高騰で影響が避けられないのが飲食業界だ。外食ジャーナリストの中村芳平氏は「小さな飲食店ほど影響を受ける」と、こう続ける。
「大手チェーンなどは国内農家と長期的な契約を結んでいる場合が多いため、国産の食肉であれば安定して調達できます。海外産の食肉を用いる場合でも、大手であれば一度に大量に取引しコストカットが見込める。しかし、個人経営などの小さな店はこうしたスケールメリットがないため、ここまで肉が高騰しては打つ手がない。値上げをするか、メニューを見直すか、肉の質を下げて対応するしかありません」