植田日銀はハト派→タカ派→再びハト派へとコロコロ…「対話の失敗」が招いた為替と株の乱高下
「市場が不安定な状況で利上げをすることはない」──。日銀の内田真一副総裁が7日、北海道函館市の講演で追加利上げに慎重な姿勢を見せた。この発言を受け、円相場は一時1ドル=147円台半ばまで下落。7日の朝方は144円台だったので、内田発言で売りが進んだ形だ。
株価も内田発言に敏感に反応。過度な利上げ観測が後退したことで市場に安心感が広がった結果、買い戻しの動きが強まり、日経平均は一時1100円以上も値上がりした。
株も為替も乱高下を繰り返しているが、その要因は日銀の植田総裁にあるのではないか。市場とのコミュニケーションの問題だ。それは、今回だけじゃない。
マイナス金利を解除して17年ぶりの利上げに踏み切った3月の金融政策決定会合後、植田は「今後も緩和的な金融環境が続く」と強調。「追加利上げはしばらくない」との安心感が市場に広がった。
その後、約34年ぶりとなる1ドル=156円台にまで円安が進む中、4月会合後の会見で「足元の基調的な物価上昇率への大きな影響はない」と強弁。