10.1内定式後も採用活動を続ける企業の本音…背景に人手不足と就活の早期化が
2025年3月卒業予定の大学生を対象にした企業の就職「内定式」が10月1日から実施されている。経団連が策定した「採用選考に関する企業の倫理憲章」で正式な就職内定日は10月1日と定められ、多くの企業が内定者のフォローに力を入れているのだ。
人手不足による学生優位の売り手市場で就活の早期化や一人の学生に複数企業が内定を出すなど、限られた学生を多くの企業が奪い合う状況が続いている。
「可能な限り内定辞退数を減らそうと、多くの企業が内定を得た学生と適切なコミュニケーションを取る、いわゆる内定者フォローの取り組みを実施しています。内定式を工夫する企業や、企業の見学会、他の内定者・社員との交流などを実施するケースも見られます」(ニッセイ基礎研究所総合政策研究部の河岸秀叔氏)
就職・求人活動の情報を提供するキャリタスの7月1日時点の就職活動調査によると、新卒大学生の就職内定率は89.7%と9割に達する。内定取得学生のうち、就職先を決めて就職活動を終了した学生は81.6%。本命企業の結果が出たことで就職活動を終え、内定式に参加した学生が多かったのだろう。だが、内定式後も内定辞退をする学生は少なくないと、同社の広報担当・吉田治氏がこう言う。