中国優位で加速するEV電池の淘汰…欧州系メーカーの破綻は3社目に
■負債総額は58億ドル
同社が米テキサス州の連邦地方裁判所に申請した連邦破産法第11条(チャプター11)に基づく資料などによると負債総額は58億ドル(約9000億円)。破産法申請時に2位株主にまでなっていたGSは保有株が「無価値同然となった」(メガバンク筋)ことで8.96億ドルの損失計上を余儀なくされるもようだ。
EV販売自体の失速もあって、欧州では車載電池メーカーの経営危機が続く。23年には英ブリティッシュボルトと、同じくAMTEパワーが相次ぎ破綻。今年6月には独ベンツグループなども出資する仏オートモーティブ・セルズ・カンパニーが独・伊で建設を計画していた量産工場の一時凍結を強いられた。
調査会社などによると、世界の車載電池市場は中国CATLが40%弱のシェアを握り首位。上位10社中6社を中国勢が占める。おまけに価格は足元で21~22年ごろの3分の1程度にまで下落。「とてもじゃないが日欧米勢が太刀打ちできない水準」(トヨタ筋)で推移する。
米トランプ次期政権の下、最大7500ドルを税額控除するEV補助金の廃止もほぼ確実。「淘汰」が本格化するのは、むしろこれからかも知れない。