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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

日本にもコスパEVの時代到来? スズキ初公開した初EV「eビターラ」はスタート300万円切りなら売れるかも

公開日: 更新日:

スズキ eビターラ

 正直伸び悩んでいる国内バッテリーEV(BEV)市場。おととし最も売れた軽EVの日産サクラでさえ、2024年は3万7000台から2万2000台へと約6割に減。一部輸入EVが伸びているくらいで純粋な電気自動車はあまり売れてない。日本は今もやはりハイブリッド大国なのだ。

 だがコイツは別物かもしれない。それはこのeビターラ。ご存じコンパクトカーのスズキが年内発売予定の初BEVで、先日の『新中期計画』会場でお目見え。予想以上にワイルドだ。

 ちなみにこの計画は同社のカリスマ、鈴木修元相談役が亡くなってから初。それもあってか中身は非常に強気で、なにしろ約5年後2030年度の売上げ目標が現在の約1.6倍の8兆円! 営業利益は8000億円で、10%の営業利益率はトップのトヨタに迫る勢いだ。

 そもそも去年の売上げ5.4兆円は来年度目標だった4.8兆円をとっくに凌駕しての好成績。それだけにこういう予想になったのだろう。業績的には今やメインマーケットのインドの伸びが大きいが、そこでより重要になってくるのがこのeビターラだ。

夏頃から欧州、インド、日本などで順次発売

 実は今、インド政府は、2030年までに新車販売に占めるEVの割合を、乗用車で3割、商用車で7割、2輪等で8割まで引き上げる野心的な目標を掲げている。よってインドでクルマを一番売るスズキがBEVで頑張らないわけにはいかないわけであり、その主力商品がeビターラなのだ。

 グローバル的には昨年11月にイタリア初公開。今春からインドのスズキ工場で生産を開始し、夏頃から欧州、インド、日本などで順次発売される。

 見た目は欧州車的でニラみの効いたLEDヘッドライトは少しドイツVW車のよう。それでいてバンパーはプロテクターのようにゴツめでカッコいい。

 サイズは非常に手頃で全長4275×全幅1800×全高1635mmは人気のホンダ ヴェゼルとトヨタ ヤリスクロスの中間。それでいてホイールベースは2700mmとガソリン車より長く、室内は直接見れなかったが間違いなく広い。定員5名が余裕で座れ、ラゲッジもそこそこあるはずなので、国内で最も使いやすいサイズだ。

トヨタグループと共同開発

 気になる走りだが、前後に2つのeアクスル(モーターやインバータがセットになったもの)を配置するシステム出力135kWでトルク300Nmの4WDと、同106kWで189NmのFFモデルがあり、前者の電池量は61kWhで後者は49kWh。速さや楽しさでは4WDだが、キモはコスパに優れるFFモデルになるだろう。

 というのも、このEVはトヨタグループと共同開発されるからだ。ボディ骨格たるプラットフォーム「ハーテクト-e」はスズキとトヨタグループの共同開発で、特にeアクスルはアイシンとデンソーの共同出資会社が供給。肝心の電池は中国BYDから低価格が自慢のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが提供し、それをインドでスズキが生産する。

 ある意味日中のコストコンシャスメーカーが集結するEVで、価格が安くならないわけがない。今やEVも低価格路線だからだ。

 果たして国内で本当にスタート価格が300万円を切るかは未知数。だが、中国BYDの低価格EVドルフィンの初期限定モデルが一時299万円(今は363万円から)で韓国ヒョンデ インスターがほぼ285万円で登場した今、安さが自慢のスズキが同等の戦略を取らないわけがない。

 もしや今年、国内でも本格的にコスパEV時代が始まるのかもしれない。

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