笹田賢一社長が旗を振るみずほ信託銀のコンサル業務強化…創立100周年でも強みのDNAは脈々
実はみずほ信託銀行は、5月に創立100周年を迎える。1925(大正14)年に創立された共済信託がルーツ、あまり知られていないことだが、大阪発祥だ。現在、「100周年を記念した社史の編纂を進めている」(関係者)という。
■最大の強みは不動産とコンサル業務
みずほ信託銀行の最大の強みは、不動産とコンサル業務にある。「前任社長の梅田氏は不動産業界では知らない人はいないほどの著名人。会長に退いた今も不動産事業を牽引している」(みずほ信託関係者)とされる。また、コンサル業務は、旧安田信託銀行時代から業界の先駆け的な存在だった。1990年代にみずほ信託のコンサル業務を興したのは松尾氏という立志伝中の人物。「実直で学究肌の松尾氏は、相続、不動産、税制など、信託銀行が持つ多様な機能を駆使してコンサルを展開し、日本を代表するような創業家の信頼を得ていった」(同)。その後継者として“みずほのコンサル”を日本一に引き上げたのが川久保公司氏(元みずほ銀行常務)だ。
笹田社長によると、コンサルティング関連の収益は過去1年間で約7割増えたという。旧安田信託時代から培われたコンサル業務のDNAは、100周年の今も脈々と引き継がれている。