本当はザックが頭を抱える、本田のミラン「背番号10」
「そもそも適性外という見方もある」というのは、イタリア取材歴の長いあるサッカージャーナリストだ。
「本田は、日本代表ではトップ下や1トップで使われているが、もともと器用なタイプではなく、特定ポジションに固定した方がベターです。ダブル司令塔の場合、カカがボールを持てばストライカー的な動きを、1トップが左右に流れた場合には空いたスペースを埋める動きを要求される。劣勢が続くとボランチの位置まで下がり、守備に奔走することもある。右膝と左足首に持病を抱えている本田は、フルに動き回るほどの状態ではないし、生来の鈍足なのでアレコレ要求されてもこなせるかどうか……」
日本代表では、試合中のポジションチェンジは本田自身の裁量に任されており、守備的なプレーも免除されている。「ミランでダブル司令塔」報道にザッケローニ監督は「ホンダがミランでツブされるのではないか。日本代表に大きな悪影響を及ぼしかねない」と心配しているともっぱらだ。
W杯を控えて指揮官の悩みが、単なる杞憂に終わればいいのだが……。