角界の“見えない狂気” 元熊ケ谷親方初公判で改めて浮き彫り

公開日: 更新日:

 ベテラン相撲記者は「以前は『相撲部屋に暴力は付きもの』と誰もが疑っていなかった」と、こう話す。

「親方衆の多くは、指導のためなら何をやっても許されると心から信じていた。自分も殴られて育ってきたからです。新弟子もそうした噂を聞いているので、ある程度は覚悟をしている。『やりすぎじゃないか』と疑問を抱いても、周囲は当たり前のことと受け入れていますからね。次第に自分の考えの方が間違っているような錯覚に陥り、しまいには『これも伝統なら仕方ない』と受け入れてしまう。一種の洗脳、宗教に近い」

 07年の時太山暴行死事件以降は、稽古場など人目につく場所での暴力は減った。が、完全になくなったわけではない。事件以降も13代目鳴戸親方(元横綱隆の里)、春日野親方(元関脇栃乃和歌)らの暴力が報じられた。厳しい稽古も暴力もまとめて「かわいがり」という言葉を使う角界のことだ。暴力への忌避感はないに等しいに違いない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広末涼子容疑者は看護師に暴行で逮捕…心理学者・富田隆氏が分析する「奇行」のウラ

  2. 2

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  3. 3

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ

  4. 4

    広末涼子は免許証不所持で事故?→看護師暴行で芸能活動自粛…そのときW不倫騒動の鳥羽周作氏は

  5. 5

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  1. 6

    【い】井上忠夫(いのうえ・ただお)

  2. 7

    広末涼子“密着番組”を放送したフジテレビの間の悪さ…《怖いものなし》の制作姿勢に厳しい声 

  3. 8

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い

  4. 9

    大阪万博は開幕直前でも課題山積なのに危機感ゼロ!「赤字は心配ない」豪語に漂う超楽観主義

  5. 10

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育