テニスで物議の“男女賞金格差” ゴルフでは当たり前の不思議
比較すると、確かに恵まれている。
テニス界で物議を醸している男女同権問題。先週のパリバ・オープンの大会ディレクターが「女子のテニス協会は男子の人気に便乗している」と発言。女子選手を怒らせ、各方面からも批判されたことで21日に辞任した。
しかし、5度目の優勝を果たしたジョコビッチも、「(ディレクターの発言は)間違った表現」と批判する一方で、「男子プロテニス協会(ATP)はより多くを求めるべきだ。統計では男子の試合の方が集客力が高いことが明らかになっている」と語った。その後謝罪したものの、要するに「男子は女子より客を集めるから賞金を増やして」と言いたいのだろう。
こんな発言が出てくるのは、テニスの4大大会の賞金が男女同額だからだ。例えば、今年の全豪オープンの優勝賞金は、男も女も380万豪ドル(約3億2300万円)。8月下旬から9月にかけて行われる全米オープンも、昨年は男女とも330万ドル(約3億6800万円)だった。
これがプロゴルフの世界となると、状況はまったく異なる。開催日やコースは違えど、昨年の全英オープンは115万ポンド(約1億8300万円)。それに対し全英女子オープンは54万ドル(約6000万円)と1億2000万円以上も安い。
テニスの女子はどの大会でも3セットマッチだが、男子は4大大会になると5セットを戦う。「それなのに同じ賞金額というのはおかしい」という声は以前からあった。ジョコビッチの発言は男子のテニス選手の本音ではないか。