鼻息荒い大関・稀勢の里 「綱とり」はいつまで続く?
これで一体、何度目の「綱とり」になるのか。
大関稀勢の里(30)が来月11日に初日を迎える9月場所に向け、鼻息を荒くしている。番付発表のあった29日は田子ノ浦部屋で会見。先場所負傷した右足も「痛みはない」と話し、「いい状態で初日を迎え、いつも通りにやるだけ。早く自分で(チャンスを)つかまえないと」と続けた。
もっとも、ファンの多くは半信半疑だろう。ここ3場所は13勝、13勝、12勝。毎場所綱とりが期待されながら、横綱昇進基準の「2場所連続優勝」どころか、そもそも賜杯を抱いたことすら一度もない。
日本人横綱をつくりたい相撲協会や横綱審議委員会から、「13勝でもいいから優勝を」とハードルを下げられても、それすらクリアできない。昇進基準は下がり続け、今や「とにかく初優勝すればいい!」とまで言われる始末だ。
いっそ大負けすれば、協会や横審も「一から出直せ!」と叱咤できるものの、安定感だけは抜群なのだから、彼らも諦めるに諦めきれない。
「いつも(白星が)1番足りない状態で終わっていることが多いから、悔いの残らない相撲を取ること」と前を向いた稀勢の里。いつまでも終わらない閉店セールのごとく、綱とりはいつまでも続きそうな気配だ。