インド人シャルマを特別招待するマスターズの思惑と野望
その一方で、マスターズに出場できない選手から、日本ツアーからの特別招待枠での出場には批判の声があったのも事実だ。
ゴルフ普及のためとはいえ、予選落ちを繰り返したかつての日本の賞金王には、厳しい目が向けられていた。
話が元に戻るが、マスターズに出場するには、過去のマスターズ優勝者の他に、WR50位以内や過去1年間の米ツアー優勝者という、いくつかの規定がある。
シャルマは現在、WR66位だが、昨年12月以来、欧州ツアーとアジアンツアー共催大会で2勝し、先のWGCメキシコ選手権でも3日目にトップに立つなど活躍が目覚ましい。その成績なら他の選手からクレームがつくことはないだろう。
もちろんインドでのマスターズ視聴率が高まり、ひいては同国でのゴルフ人口増加も十分に期待できる。
マスターズ委員会にとって、視聴率が上がれば、海外での放映権料の値上げを見込める。
こう考えると、日本ツアー選手や賞金王に特別招待の枠が与えられることはもうないのかもしれない。
(ゴルフライター・吉川英三郎)