2度目の大学3冠に王手も…青学OBが実業団で伸び悩む不思議
横綱相撲だった。
27チームが参加した4日の全日本大学駅伝は青学大が5時間13分11秒で2年ぶり2度目の優勝。2位は2分20秒差で東海大だった。先月の出雲駅伝も制した青学はこれで、正月の箱根で5連覇と史上初となる2度目の学生駅伝3冠に「王手」をかけたわけだが、OBは実業団に進んでも、マラソンや駅伝で目立った活躍をしていないから不思議だ。
「青学が3大駅伝で優勝するようになったのはここ5、6年のこと。歴史が浅いということはありますが……」と、ある実業団関係者がこう続ける。
「原監督は箱根駅伝に向けて、選手のコンディションをピークに持っていくのがうまい。メンタル面でも選手を乗せる術を知っている。箱根で優勝すればテレビやスポーツ紙で大きく報じられ一躍スターです。学生にとっては気分がいいでしょう。だから、箱根の優勝で『燃え尽きる』選手がいても不思議ではない。また、青学はチーム内の風通しがよく、上級生と下級生も仲がいい。実業団に進むとスポーツマスコミの扱いも小さい。『学生時代のような高揚感はなく、能力を発揮できなくなる』という声は聞きますね」
今年、マラソンの日本記録を更新した設楽悠太(東洋大OB=26)は走り込みより実戦で力をつけるタイプ。大迫傑(早大OB=27)は実業団を辞めて米国のプロチームでレベルアップした。2人はともに東京五輪のマラソンでメダルを狙っている。目標が明確ならどこにいても記録は伸びるはずだが……。