駅伝シーズン真っ盛り 80年代からテレビ中継が増えたワケ
国内では10月から1月までが駅伝シーズン。今季は10月8日の出雲駅伝から、新年1月2、3日の箱根大学駅伝まで、男女の高校、大学、実業団の選手が、毎週のようにどこかで走っている。
4日は、大学3大駅伝のひとつ「全日本大学駅伝対校選手権大会(全日本駅伝)」が愛知、三重で行われる。大会がスタートしたのは1970年。テレビ中継開始は88年第20回大会から。10月の出雲駅伝は89年第1回大会から中継されている。
3大大学駅伝のテレビ中継や創設にかかわった陸連顧問の帖佐寛章氏がこう言う。
「箱根駅伝の生中継は87年開始。日本テレビが社運を懸けて始めた。正月のテレビはおもしろくないし、母校の後輩が懸命に走る姿や、私は嫌いだが息も絶え絶えになりながらゴールして毛布に包まれる選手に多くの視聴者が感動し、いきなり高い視聴率(約20%)をあげた。そもそも箱根駅伝は人気があったが、関東の地方大会に過ぎない。箱根に対抗するために朝日新聞名古屋本社の人間らが動き、全日本駅伝をつくった。テレビ中継が始まったのは箱根駅伝の生中継が始まった翌年だ。出雲駅伝は岩国(哲人)出雲市長も熱心でね。ぜひ、テレビ中継をやりたいと。89年に富士通が島根県の斐川にパソコン工場を造って、翌年から操業する時期と一致してメインスポンサーになったことが大きかった。いずれにしても、箱根駅伝の人気と生中継の成功が、その後の大学や実業団駅伝のテレビ中継につながったことは間違いない」
先日の実業団女子駅伝では、脚を故障した選手が四つんばいで進んだ一件が物議を醸した。あれが箱根駅伝で起きたらどんな騒ぎになるか……。