部長解任で発覚 日大・田中理事長は駅伝まで牛耳っていた
10日に日大が発表した保健体育審議会(保体審)の監督などの解任人事。理事に就いている人間の「兼務の禁止」に基づいたものだが、驚いたのは田中英寿理事長(71)が相撲部総監督に加え、陸上競技部特別長距離部門の部長も解任されたことだ。
この特別長距離部門はいわゆる「駅伝」チームを指す。田中理事長が相撲部を牛耳っていたのは広く知られていたが、駅伝にまで影響力を及ぼしていたことになる。
日大には34の運動部があり、それぞれにスポーツ推薦枠を割り当てられている。なかでも多くの推薦枠を持っているのが相撲部、アメフト部、そして特別長距離部門だという。学内では以前から、保体審と各部の監督、部長に運用が一任されるこのスポーツ推薦枠の不透明さを疑問視する声が上がっていたが、「3大運動部」のいずれにも、田中理事長が深く関わっていたわけだ。
大学スポーツの花形である箱根駅伝で日大は12度の総合優勝を誇る一方で、近年は低迷。過去10年で最高成績は7位。昨年は箱根はおろか、学生3大大会(出雲、全日本)すべてに出場できなかった。低迷の責任は「田中部長」にもある。兼務の禁止うんぬん以前に、クビになってしかるべきだった。