19年のプロ生活に終止符…闘莉王の最も思い出深い出来事は
「今はホントにキレイなサッカーばっかり。そういうことを求められる中でも泥臭く、多少技術がなくても一生懸命にやる気持ちを選手たちにはなくしてほしくない」
19年のプロ生活を過ごし、2010年南アフリカW杯16強戦士の1人であるDF田中マルクス闘莉王(38歳・京都)が1日、現役引退会見に臨んだ。GK楢崎正剛(名古屋スペシャルフェロー)、DF中澤佑二(解説者)の両盟友に見送られる中、彼は厳しい口調で後輩たちへのメッセージを残した。
日系ブラジル三世の闘莉王が初来日したのは98年。千葉・渋谷幕張高にサッカー留学し、才能を認められて01年に広島入りした。そして水戸時代の03年に日本国籍を取得。当時は「君が代の歌が難しい」と苦笑いしていたが、すぐさま04年アテネ五輪代表の主力に君臨。本大会出場に貢献した。
同年に移籍した浦和では06年Jリーグ制覇、2007年ACL優勝のけん引役に。09年に赴いた名古屋でも「優勝請負人」として10年のJ初制覇の原動力となった。
この年に出場した南アW杯では中澤氏と代表史上最強CBコンビを結成。「8強に一番近づいたのは10年のチーム」と本人も堂々と胸を張った。