日本ゴルフ界のトップにビジネスセンスはあるのか?
LPGAでの11年間にわたる実績が認められ、R&Aと並び、世界のゴルフ界をリードするUSGAにヘッドハンティングされたというのが真相だ。
「私はいつもワクワク、ドキドキすることに挑戦するのが好き」(ワン氏)とUSGAでも大胆な手腕が期待されている。
まったく違うゴルフ組織への移籍は米国では当たり前だ。1968年にはUSGA専務理事だったジョセフ・ダイ氏が、全米プロゴルフ協会(PGA・オブ・アメリカ)から独立したPGAツアーの初代コミッショナーに就任した。
「ルールの神様」と敬われていたダイ氏の信頼で、PGAツアーは急速に発展、現在に至っている。
また18年にはPGA一幹部だった元ツアープロのスージー・ウェーリー氏がその手腕を認められ、初の女性会長に抜擢された。実力があれば、組織や男女の垣根を越えて、自由に引き立てられ、移籍する。アメリカゴルフ界の発展の要因を見る思いだ。
いっぽう我が国のゴルフ団体といえば、組織のトップはプロゴルファー出身者で固められて、ツアーを拡大させるビジネスセンスには「?」がつく。もちろん女子プロゴルフ協会の会長が日本ゴルフ協会(JGA)会長へと違う団体トップへ就任するなどまず考えられない。