松山英樹の勝利に大喜びは尚早…有力若手選手の海外流出が止まらない
まるで格闘技を見るような迫力満点の結末に、「こんな凄い試合を見せつけられたら、日本のトーナメントを見る気がしなくなる」という声が聞こえてくる。
試合内容だけではない。
日本男子ツアーの低迷は「スター選手不在」が原因のひとつだ。最近になって世界アマランク首位の中島啓太(21)が日本ツアーで優勝を遂げるなど、ようやくスター候補選手が国内にも育ってきた。
しかし、そんな若手選手のほとんどは、日本ツアーには目もくれず、松山の後を追うように米ツアー参戦を目指している。
腕に自信があれば、世界のトップステージで戦ってみたいと思うのは当然だろう。
今年のマスターズ、全英オープンの出場権を手にした中島は、まだアマチュアだがT・ウッズやC・モリカワと同じ米国マネジメント会社「エクセル・スポーツ・マネジメント社」と契約した。近い将来の米ツアーでの活躍が有力視されており、「金の卵」を有力マネジメント会社が放っておくはずがない。
米ゴルフメーカーのキャロウェイ社は、昨年12月にプロ転向した河本力(21)と杉原大河(22)の2人と契約。テーラーメイド社は昨年のチャレンジツアー3勝、史上初の獲得賞金1000万円超えで賞金王になった久常涼(19)や、昨年のマイナビABC選手権2位など、トップ10入り7回と成長著しい石坂友宏(22)と契約。豊富な資力と、世界でのネットワークを持つ2大ゴルフメーカーが、日本の若手有望選手を囲い込み、PGAツアー参戦に向けてバックアップするはずだ。