大相撲
-
祝賀会で二子山親方がひと言「高谷(隆の里)がいつもお世話になっています」
16日に照ノ富士の横綱昇進、23日には正代の大関昇進を祝うパーティーが予定されている。コロナ禍で延びていたのだが、照ノ富士は秋場所を途中休場したとはいえ膝を心配する声が多いからまだしも、九州場所が5度目のカド番となる正代は針のむしろ...
-
師匠を交代してから稽古場に下りた回数は片手で数えられるくらい
10月2日、蒼国来の断髪式(写真)が国技館で行われました。来ていただいた、たくさんのお客さまには感謝しかありません。私も止めばさみを入れる時はこれまでのさまざまな思い出が頭をよぎり、ジーンとしてしまいました。 力士としての花...
-
荒汐部屋の跡継ぎを打診するも…蒼国来は一度「親方にはなりません」と断った
私の誕生日は1955年3月29日。65歳になる1日前、2020年3月28日が定年を迎える日だったのですが、2日早めて26日に相撲協会を退職しました。そんな私の跡を継ぎ、蒼国来が「荒汐親方」となったのです。 中国内モンゴル自治...
-
土俵復帰した蒼国来は思わず「支度部屋の視線がつらかった」と漏らした
蒼国来は十両に昇進する前くらいから体が大きくなり始め、苦手だった押し相撲にも対応できるようになりました。まわしを取れば、自分の相撲が取れる。 血筋としてはモンゴル出身力士の系譜ですが、彼らほど相撲は速くない。でも、小力が強い...
-
蒼国来の十両昇進で電話が殺到! 爆発寸前のガラケーを買い替える羽目になった
レスリングのように肩口からぶつかっていく立ち合いも改善され、徐々に番付を上げていった蒼国来。入門7年目の2009年11月場所は幕下筆頭で5勝2敗の好成績を残し、晴れて十両に昇進することが決まりました。 あれは私が福岡の宿舎か...
-
蒼国来はレスリングの癖が抜けず…毎日のぶつかり稽古で矯正した
内モンゴルではレスリングを学んでいた蒼国来ですが、大相撲ではこのレスリング経験が大きく足を引っ張りました。 運動神経そのものはいいとはいえ、問題は立ち合いです。頭からガツンとぶつかる相撲に対し、蒼国来は頭が当たらないように肩...
-
玉鷲37歳10カ月での最高齢V! 驚異の“サンドイッチ”稽古が「老いてなお強い」を下支え
この記録を塗り替える者がいるとすれば、それは自分自身か。 ■3年ぶり2度目V 前頭3枚目の玉鷲が自身3年ぶり2度目の優勝。37歳10カ月での賜杯は、年6場所制が定着した1958年以降、史上最年長。2012年5月場所を3...
-
「若い頃は軽い方がいい」宇良の復活に重なる栃木山の育成論
秋場所4日目(14日)、宇良が宝富士に勝った一番の決まり手は、伝え反りだった。2001年初場所で加わった決まり手の一つ。翌年秋場所で朝青龍が貴ノ浪に決めて以来、出ていなかった。 相手の脇の下をくぐり抜けながら体を後ろへ反らせ...
-
蒼国来は冷たい水を一切飲まず…入門当初は互いに文化の違いを痛感しっぱなし
2003年に初めての外国出身力士である蒼国来を迎えた荒汐部屋ですが、我々も本人も文化の違いに困惑することは何度もありました。 よく焼かれた肉しか食べない、ヨーグルトをご飯にかけて食べるのは前回お話ししました。それ以外でも、食...
-
照ノ富士が無念の休場、長期離脱の可能性…横綱不在危機に「後釜」候補はただ1人
やはり、「重傷」だった。横綱照ノ富士(30)が昨20日、休場届を提出。診断書によれば「両変形性膝関節症、右膝骨挫傷にて3週間の安静加療を要する見込み」とのことだが、実際は全治3週間では済まされない。 師匠の伊勢ケ浜親方(元横...
-
食文化の違いを痛感…蒼国来は来日当初、白米にヨーグルトをかけて食べていた
蒼国来が来日したのは2003年6月28日。この年の4月に中国内モンゴル自治区でスカウトし、荒汐部屋として3人目の弟子、初の外国人出身力士となりました。 来日当日は私も成田空港に迎えに行きましたが、待てど暮らせど蒼国来がゲート...
-
玉鷲が1横綱2大関2関脇撃破で6連勝も…37歳の「鉄人」がこれから迎える正念場
誰よりも強く、そして若々しい。 16日は横綱照ノ富士が宇良に敗れ、3大関も全滅。横綱大関が全員出場した上での総崩れは、2006年9月場所6日目以来、ちょうど16年ぶりの屈辱である。 そんな中、彼ら上位陣に連日、土をつ...
-
平戸海雄貴は近年では珍しくなった中卒力士 その並外れた努力と根性
体格に恵まれているわけではない。天性の素質があるわけでもない。しかし、気力と根性だけは誰にも負けない。 【写真】この記事の関連写真を見る(11枚) 近年、めっきり減った中卒力士。地元の平戸市立中部中学校を卒業すると、同...
-
蒼国来は第一印象では目に留まらなかった 体育館でたったひとり相撲指導を受けた
中国内モンゴル自治区まで弟子をスカウトに行った2003年4月。「これは」と思う子に軒並み断られた私が宿泊するホテルに、地元テレビ局の人が1人の少年を連れてきました。 それがエンクー・トプシン、後の蒼国来であることは前回述べま...
-
宇良が朝青龍以来、20年ぶり2度目の大技炸裂!「客を呼べる力士」の本領発揮
声出しNGの大相撲で大歓声がとどろいたのを、一体誰が責められようか。 14日、前頭3枚目の宇良(30)が過去に1例しかない「伝え反り」を宝富士に繰り出し、3勝目を挙げた。 【写真】この記事の関連写真を見る(11枚) ...
-
スカウト交渉に難儀…初めて訪れた内モンゴル自治区は見渡す限りの荒野だった
私の後を継いで荒汐部屋の師匠となった荒汐親方、元幕内蒼国来と出会ったのは、2003年4月。弟子をスカウトするため、中国内モンゴル自治区に行った時です。 当時は朝青龍や旭鷲山、旭天鵬ら、モンゴル人力士が土俵で活躍していました。...
-
水戸龍聖之は入門した部屋が悪かった? 天賦の才生かせず稽古嫌いに
「別の部屋に入っていれば……」 そう思う関係者は決して少なくない。 【写真】この記事の関連写真を見る(11枚) モンゴルから相撲強豪校の鳥取城北高に留学し、日大相撲部ではアマチュア横綱と学生横綱の2冠を達成。幕下...
-
風呂場をピカピカに磨いた19歳の蒼国来 苦しい中でも変わらぬ気遣い
現在の荒汐親方、蒼国来が裁判中に何を思い、苦悩していたのかは、私には想像するしかありません。優しいけど芯に強さを秘めているので、弱音もめったに吐かない子なんです。ただ、そんな中でも人を気遣える気持ちには何の変わりもありませんでした。...
-
横綱・照ノ富士「一強時代」の終焉…小兵・翔猿の押しに何度も後退し初金星配給
12日、2日目にして早くも横綱照ノ富士(30)に土がついた。 相手は174センチ、133キロと小兵の翔猿。照ノ富士は何とか捕まえようとするも、向こうも「それだけは勘弁」とばかりに当たっては引くの繰り返し。横綱はまわしを取ろう...
-
東日本大震災の余震が続く中「我が子を守る」と決めた日
あの当時は本当にいろいろありました。つらいことも苦しいことも語り尽くせないほど。再びまわしをつけ、稽古場に上がる蒼国来の姿を見たときは、安堵と喜びの気持ちでいっぱいでした。 大相撲が八百長騒動に揺れた2011年。私の弟子で、...
-
大関・御嶽海に協会やきもき 異例の“2場所連続カド番”でも「いてくれなければ困る」理由
細く長くでも、いないよりはいい。 カド番だった先場所は所属する出羽海部屋からコロナ感染者が出たことにより途中休場となった大関御嶽海(29)。休場を発表した日まで2勝4敗と黒星先行だったが、事情が事情だけにカド番のまま、大関に...
-
横綱・照ノ富士 初日と2日目の相手は「組みしやすし」…好発進で狙うV奪還
土俵内の相撲も15日間の本場所も、出足が重要だ。 9日、9月場所(11日初日)の取組編成会議が行われ、横綱照ノ富士(30)は初日に霧馬山、2日目は翔猿と対戦することが決まった。 照ノ富士の今年の優勝は5月場所1度のみ...
-
曙が述懐した大関カド番の重み「小錦関との一番、あの日だけ休場したかった」
秋場所は11日に初日を迎える。名古屋場所ではコロナ関連の休場力士が続出。特に途中休場が多く、番付上の扱いが注目されたが、全休と同様にコロナ特例を粛々と適用し、休場前に勝ち越し・負け越しが決まらなかった力士は据え置いた。 勝ち...
-
元大関・朝乃山“最短返り入幕”への高い壁…15日制での十両全勝優勝は過去5人のみ
条件はただひとつ、本割で負けないこと──。 6場所出場停止から復帰した7月場所で三段目全勝優勝を果たした朝乃山(28)。29日に発表された9月場所の番付では幕下15枚目となった。 大相撲の内規では、幕下15枚目以内で...
-
大鵬は巡業で大関5人を相手に稽古「口の中に水を含めば長い相撲が取れない」
2年8カ月ぶりに再開された巡業が終わった。コロナ禍で手探りの中、まずは関東で5カ所だけだが、連日多くの観客でにぎわった。 初日の立川巡業(5日)では、マスク姿ながら力士との写真撮影会も行われ、名古屋場所優勝の逸ノ城が人気だっ...
-
力士もマスク着用…ハダカで抱き合う相撲で「密です!」と言われてもねえ
旅芸人が地方を経巡るのを昔はドサ回りと言った。江戸時代、罪人が佐渡へ島流しにされるとなかなか戻って来れないことになぞらえて、旅を回る芸人たちが「佐渡」をひっくり返して自虐的に「ドサ」と呼んだのだ。 ドサ回りは江戸興行より格安...
-
「弱くもならなけりゃ強くもならない」凡庸なベテラン増加で思い出した元栃錦の毒舌
昭和の終わり頃の名古屋場所だった。記者クラブで春日野理事長(元横綱栃錦)を囲んだ時、あるベテラン力士が出場回数に関する記録を達成したことが話題になった。 「大したもんだよ」 記事に理事長の評価を入れようと次の言葉を期待...
-
スポーツ界のコロナラッシュ 政府も夏風邪扱いなのに不安をあおるのはよせ
プロ野球選手の新型コロナウイルス集団感染が止まらない。一緒にハイタッチしてた選手が、「あ、感染してますネ」と言われて忽然と姿を消している。 大相撲でも幕内前半の半分が十両力士に相撲を取らせる間抜けな状況だ。八角理事長なんか千...
-
逸ノ城「大関目指す」と抱負語るも…昇進は腰の持病次第、今年がラストチャンスか
「三役、大関を目指したい」 25日の優勝一夜明け会見でこう抱負を語ったのが、今場所を制した逸ノ城(29)だ。 コロナで休場する部屋が相次ぐ中、12勝3敗で初めて賜杯を手にした。来場所、関脇・小結の4人は全員地位安泰とは...
-
逸ノ城が見た「天国と地獄」の8年 混沌の名古屋場所で悲願の初賜杯達成!
モンゴルの巨体が混沌の名古屋場所で初賜杯を掴んだ。 24日の千秋楽、優勝の可能性があったのは3敗の横綱照ノ富士、平幕の逸ノ城(29)、そして4敗の大関貴景勝の3人。まず逸ノ城が宇良を下して3敗をキープした時点で、貴景勝の優勝...