伊勢ケ浜親方の不徳…弟子の暴力を協会に報告せず理事辞任 日馬富士暴力事件に学ばず
まさかの暴力発覚──と言っても相撲部屋ではまさかでも何でもないが、問題はその部屋だ。
日本相撲協会の臨時理事会が行われた26日、おかみへの暴力や、新型コロナによる外出制限期間中の外出飲酒などがバレた逸ノ城の1場所出場停止処分などに加え、伊勢ケ浜部屋で弟子の暴力が明らかになったのだ。
理事会では伊勢ケ浜理事(62=元横綱旭富士)は理事降格が妥当とされたが、本人が理事辞任届を提出。理事会はこれを受理した。
協会の発表によると、今年に入り、幕下以下の力士AとBが弟弟子1人を暴行。Aは反抗的な態度を取った弟弟子の頭を角材で殴る、背中に煮えたぎったちゃんこを浴びせてやけどさせる、腹を数発殴って、うずくまった弟弟子の腹を踏みつけるなどの常軌を逸した行為を何度も行っていた。
BはAに触発され、同じ弟弟子を殴打。Aは引退、Bは暴行が1度ですぐに弟弟子に謝罪していた態度などが考慮され、2場所出場停止となった。
問題は、師匠の伊勢ケ浜親方が暴力の一部を知りながら、協会に報告していなかったことだ。今回、事件が発覚したのは被害者の親族が協会に訴えたから。協会によると、伊勢ケ浜親方は弟子Aが弟弟子にわざと煮立ったちゃんこを浴びせたことを知りながら、協会に報告しなかった。