大関・貴景勝“流血の勝利”で賜杯争い先頭キープ 2場所連続巴戦ならリベンジのチャンス
流血も厭わぬ激しい「打撃戦」だった。
昨20日、大関貴景勝(26)が、結びの一番で阿武咲(26)を撃破。前日3敗に後退した大関が、2敗キープで優勝戦線の先頭に立つ平幕を下す劇的な展開となった。
この2人、アマチュア時代から対戦経験のあるライバル同士。中卒で阿武松部屋に入門した阿武咲に対し、貴景勝が貴乃花部屋に入ったのは高校卒業後。それでも出世争いでは差がつき、大相撲での対戦成績も貴景勝が12勝3敗と大きく勝ち越している。
そんな関係の2人が賜杯争いで直接対決ときたものだから、内容も熾烈。立ち合いから互いに強烈な当たり、張り手、突っ張りを繰り出し、一歩も譲らぬ意地のぶつかり合いとなった。
最終的には貴景勝が掌底さながらのビンタをかましてから、怒涛の押し出し。鼻血で口元を赤く染めながら、勝ち名乗りを受けた。
これで賜杯争いトップの3敗力士はこの2人に加え、琴勝峰も含めた3人。残り2日なので、4敗力士にもチャンスがある。こちらも霧馬山、大栄翔、東龍と3人だ。
先場所は貴景勝、高安、阿炎が巴戦を繰り広げ、阿炎が制したのは記憶に新しい。もし、2場所連続で巴戦となれば、大相撲史上初の珍事である。
貴景勝にとって再びの巴戦は、相手こそ違えどリベンジのチャンス。千秋楽に向けて、再び大相撲が盛り上がってきた。