若き日の千代大海も口にした宿命「スタミナを考えると四つ相撲も必要かも」
初場所は貴景勝が13場所ぶりの優勝を果たし、照ノ富士の休場で1人になった上位力士の面目を施した。多くの重圧をはねのけ、八角理事長(元横綱北勝海)は「今までで一番価値のある優勝」と評した。
横綱審議委員会の内規「大関で2場所連続優勝」「(前項に)準ずる好成績」に照らせば、形の上では来場所が横綱昇進のチャンスになる。
大関昇進当初から、初めて突き押し一本の横綱誕生かと期待された。過去に押し相撲で綱を張った力士は、組んでも相撲が取れたからだ。
貴景勝の前に激しい突き押しで大関になった力士に、千代大海(現九重親方)がいる。1999年、22歳で昇進した頃は血気盛んで、「俺が突き押し一本で初めての横綱になる」と意気込んでいた。ただ、その頃にこうも言っている。
「今はいいけど27歳とか28歳とかになったら、スタミナを考えて四つ相撲も必要かもしれない」