正代6敗目、大関最短復帰消滅がトドメに…名門・時津風部屋いまや風前の灯火
最後の望みすらも絶たれた。
15日、先場所で大関から陥落した関脇正代(31)が、若元春にあっけなく敗れ、ついに6敗目。「陥落直後ならば2ケタ勝利以上で元の地位に戻れる」という大関特例もパーである。
これで窮地に陥ったのが正代が所属する時津風部屋だろう。
角聖・双葉山が1941年に起こした双葉山相撲道場をもととして、横綱鏡里や大関豊山ら数々の関取を輩出。最盛期は50人以上の弟子を抱えていた。
しかし近年は少子化による弟子不足に加え、部屋自体も凋落の一途。現在の所属力士は17人と格別多いわけではない。
時津風部屋とは違う一門の親方は、「だからこそ、正代が大関でいられるかどうかは重要だったんです」と、こう話す。
「関取が多かった時代の時津風部屋は力士の出稽古先として人気。横綱大関もよく足を運び、時津風部屋の力士も、彼らに揉まれてさらに強くなる好循環だった。白鵬(現宮城野親方)も本場所前は時津風部屋で稽古をするのが慣例でしたからね。しかし、今の時津風部屋は今場所前に豊山が引退するなど、関取は正代ただひとり。今後、出稽古が全面解禁になったとしても、今の時津風部屋に足を運ぶ力士はいるかどうか。せめて正代が大関ならば『稽古をつけてもらおう』という力士もいたかもしれない」