コーヒーのポリフェノールや緑茶のカテキンはコロナ予防に有効か?
ワクチンの接種や手指衛生は、新型コロナウイルスに対する基本的な感染予防策です。近年ではまた、コーヒーに含まれるポリフェノール類や、緑茶に含まれているカテキン類が、同ウイルスの感染予防に効果的である可能性も報告されていました。
しかし、質の高い研究は限られており、一貫した結論は得られていませんでした。
そんな中、新型コロナウイルスの感染予防に対するコーヒーや緑茶の効果を検討した研究論文が、日本疫学会誌の電子版に2024年2月10日付で掲載されました。
この研究では、国立国際医療研究センター(東京)に勤務する18~76歳の医療従事者2110人が対象となりました。コーヒーと緑茶の摂取量はアンケート調査によって、新型コロナウイルス感染症の発症は診療記録によって、それぞれ同定されています。また、解析結果に影響を及ぼし得る年齢、性別、生活習慣、職種などの因子について統計的に補正を行ったうえで、コーヒーおよび緑茶の摂取量と感染症リスクの関連性が解析されました。
6カ月にわたる追跡調査を実施した結果、当初の予想に反して、コーヒーの摂取量が増加すると新型コロナウイルスに対する感染リスクの増加が示されました。