コロナ後遺症…感染後の長引く症状すべてが後遺症とは限らない 岡山大が画期的な研究成果
新型コロナが「5類感染症」に移行してから1年たったが、いまでも多くの人がコロナ後遺症に苦しんでいる。まだ、原因も分からず、治療法も確立していない状況だ。なにか、症状を改善する手掛かりはないのか──。岡山大学が発表した研究成果が注目を集めている。
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岡山大学が発表した論文の内容は、<コロナ感染後の長引く症状のすべてが後遺症とは限らない>というもの。英国の学術誌「サイエンティフィック・リポート」に掲載された。
岡山大学病院は、2021年2月から新型コロナ後遺症の専門外来を開設し、これまでに950人を超える患者を診てきた。論文によると、コロナ後遺症外来を受診する患者の中に、一定の割合で、さまざまな他の疾患が隠れていることが分かったという。感染後も長引く症状のすべてが、後遺症であるとは限らないということだ。
21年2月~23年6月の間に後遺症外来を受診した731人を分析した結果、6.8%にあたる50人から、なんらかの疾患(52疾患)が見つかったという。しかも、全体の2.2%にあたる16人は、コロナ後遺症よりも治療を優先すべき疾患があったそうだ。