感染症の家庭内感染を防ぐ(2)温度と湿度、入浴、食事はどうする?
家族の誰かがインフルエンザや新型コロナなどの呼吸器感染症にかかった場合、家庭内感染を防ぐために、室内環境や入浴、食事はどうしたらいいのか? 前回に続き公衆衛生が専門の岩室紳也医師に聞いた。
室内の温度や湿度については、1961年に「ウイルスの生存実験」をした研究者G・J・ハーパー氏が「インフルエンザウイルスは温度20度以上、湿度50~60%で空気中での感染力が下がる」ことをつきとめている。インフルエンザは北半球では冬場に大流行し、東南アジアでは年中低いレベルでの流行になるのはこのためと考えられる。
だからこそ、室温は20度以上、湿度は50%以上を保ちたい。湿度は加湿器を利用したり、電気ポットなどでお湯を沸かしたり、湯舟にお湯または水を張った浴室のドアを開けっ放しにしたり、寝室に濡れたタオルを干すなどで対策するといい。
逆にインフルエンザウイルスが生存しやすいのは温度が10~20度、湿度20%で、衣類などの凹凸のあるものに付着すると8~12時間、マスクやティッシュで約12時間、金属表面などでは4日間で不活化するという。