流行中の「溶連菌」は合併症に注意…ギランバレー症候群を発症するケースも
「溶連菌」の流行が続いている。国立感染症研究所によると、「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」の今月5日~11日までの全国定点あたりの感染者数は4.61人で、4週連続で4人を超えている。
溶連菌とは溶血性レンサ球菌の略称で、溶連菌感染症のうち約9割は「A群溶血性レンサ球菌」によって引き起こされる。飛沫感染または接触感染でうつり、38度以上の発熱や強い喉の痛み、倦怠感の症状が現れる。
「溶連菌感染症の治療には、抗生物質の中でもペニシリン系薬剤のアモキシシリンが圧倒的に効果が高いと言われ、1日3回10日間しっかり服用すると、その除菌効果は90%以上とされています。ただ、溶連菌感染症で注意したいのが治療後の合併症です」
こう言うのは、「一之江駅前ひまわり医院」院長で、日頃から感染症の診療に携わる伊藤大介氏だ。
代表的な合併症に、足のすねに赤い斑点ができる「結節性紅斑」やタンパク尿や血尿が出る「急性糸球体腎炎」が知られ、どれも感染から約2週間後に発症する。