「図解ワイン一年生」小久保尊著 山田コロ/イラスト
穴だらけだった知識を埋めてくれる入門書
図解入門書が好きだ。哲学、心理学関連本で味をしめている。学者、専門家による中途半端な文章より、構成も解説も親切丁寧で本としてのレベルが高かったりする。
で、今回はワインの世界の図解入門を手にした。
べつにワインに特別、こっているわけでも、通ぶるはずもないが、50年近く酒場に出入りし、ましてやバブルの時代を通過した人間なので、多少なりともワインを楽しむ時間は重ねてきた。
ワインバーを営む友人も何人かいる。そんな店に通いつめるうちに、ブルゴーニュのワインを造り手で選ぶくらいの知識は、いつのまにか身についていた。
泡系でも、シャンパン、スパークリング、スプマンテ、カヴァ……の違いぐらいは当然のことわかる。
そんな、ぼく程度の付け焼き刃的ワインファンに、この「図解ワイン一年生」がピタッときた。
人間の知識というものは、放っておけば、じつに偏ったものであることが、このワイン入門書によって、やさしく悟られる。たとえば、ブドウの品種と料理の相性など、当然、知ってたはずのことがらが、穴だらけであったことを知らされるのである。