「ヒポクラテスの困惑」中山七里著
「ヒポクラテスの困惑」中山七里著
2020年4月。新型コロナウイルスによるパンデミックのさなか、埼玉県警捜査1課刑事・古手川和也のもとを、1人の女性が面会に訪れる。「昨日、叔父がコロナ感染症で亡くなりました」。そう語る叔父とは、オンライン通販会社を創設し財を成した富豪、萱場啓一郎だった。啓一郎は大金をはたいて秘密裏に“未承認のワクチン”を入手し、接種。ゆえに彼女はコロナにかかって死ぬはずがないと疑念を抱き、本当の死因を調べてほしいと懇願してきたのだ。
古手川は、浦和医大法医学教室に啓一郎の解剖を依頼。執刀にあたった光崎藤次郎教授は、「直接の死因はヒ素だ」と解剖結果を告げた。
人気法医学ミステリーの第6弾。
(祥伝社 1870円)