「男性の育休」小室淑恵・天野妙著
加速度的に進む日本の少子化改善の突破口として、著者らは男性育休の普及・促進を提言する。なぜなら、男性の家事・育児時間が長いほど、第2子の出生率が上がることが分かってきたからだ。つまり、男性の家庭進出が進むほど、出生率が増加するというのだ。
男性の家庭進出は、母親の「産後うつ」対策としても重要であり、企業側にも多くのメリットをもたらす。しかし、現実の男性育休取得率はわずか7・48%にとどまる。
本書は、専業主婦家庭でも、就業規則に定められていなくても取得可能など、制度に関する世の誤解を解く一方で、男性育休が広がらない背景、そして企業や社員にもたらすメリットなどを解説。その上で社会変革のレバレッジポイントになる男性育休義務化を提唱する。
(PHP研究所 880円+税)