<88>ドアの向こうで誰かが動く気配

上司にも何も言わず、海老沢は本部を出た。桜田門から銀座は近いが、歩いている時間がもったいない。桜田通りを渡るとすぐにタクシーを拾った。
教えてもらったホテルに入ると、高峰はロビーの片隅にある一人がけのソファに腰かけて新聞を読んでいた。海老沢はさりげなく隣のソファに座った…
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