“同類”ゾロゾロ…ゴーストライターはなぜ問題にならない?
現代のベートーベンこと、佐村河内守氏のペテン事件で、こんな疑問を感じた人もいるのではないか?
「はて、ゴーストライターを使うタレントや著名人は許されるのか?」
実はその通りで、「磯野家の相続」の著者で弁護士の長谷川裕雅氏もこう言うのだ。
「自分が買った本が実はゴーストライターの著作であった。だから、金を返せ、という人はいないと思う。文章も作曲も同じです。つまり、佐村河内氏にゴーストがいたとして、法的には何の問題もないし、道徳的にも問題視することは難しい。世の中には著名な料理人が名前だけ貸して、商品化している料理もある。しかし、それがバレたところで、そんなに問題にならないのと一緒です」
しかし、佐村河内氏の場合、障害者という虚像を売り物にして、商売をした疑いがある。それは購入者を騙したことにならないのか?
「作曲過程を映像化し、それとセットで売っていたのであればともかく、ふつうのCDであれば、法的には問題になりません」
長谷川氏によると、著作権もゴーストライターが納得して作業をした以上、その時点でゴーストライターの著作権は佐村河内氏に譲渡されたとみなされるという。
「唯一、法的責任が生じるとすれば、佐村河内氏とゴーストの関係をレコード会社も知らなかった場合です。CD回収などの損害を問われることはありえます」
裏を返せば、佐村河内氏みたいな連中が世の中、ゾロゾロいるということだ。