贈呈式に出席した脚本家の山田太一氏(80)は、ベテランらしいユーモアで切り出し、震災ドラマを手がけた思いをこう語った。
「ドラマで震災を描くことに及び腰になっている風潮がありました。ここ3年間圧倒させられるドキュメンタリーが多く、フィクションは何を差し出しても見てもらえないかと。でもスタッフや出演者の熱意あふれる現場で、<何かこりゃ、うまくいくぞ>という感触がありました」
半世紀にわたって作品を生み出してきた脚本家らしい言葉である。
用意された挨拶を読み上げるのにアップアップだったNHKの籾井勝人会長と比べるには、モノが違いすぎるのも当然か。