「世界王者になれ」 輪島功一を支えた「白岩工業」会長の一言

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 その頃は土木工事がメーンで、日本は高度成長時代。確かに働けば働いただけ給料をもらえました。体はキツかったけど大卒新入社員の給料が5万円ほどの時代、日給月給で手取りで20万円になることもあった。

 ただ、毎日が単調。6時に起きて現場で夕方まで汗を流し夜は寝る。そんな生活の繰り返し。ところが、24歳になったある日、人生が変わったんですよ。江東区南砂の飯場(宿舎)の近所にあった三迫ジムで東京五輪・バンタム級金メダリストの桜井孝雄選手がサンドバッグを叩いているのを見て、その瞬間ビビビッときた。「これだ!」ってね。

■「必ず恩返しを」と決意

 すぐに入門して夢中で練習に励みました。今でこそオヤジボクサーがいるけど、その頃24歳でプロを目指す人間なんてまずいなかった。同じ昭和18年生まれのファイティング原田さんは25歳で引退されてるぐらいですからすごく珍しかった。

 でも、私は腕っぷしは人一倍強かったし、スタミナだって誰にも負けない自信があった。基礎体力と特訓のかいあって68年6月のデビュー以来負け知らず。7連勝して勝ち取ったのが全日本ウエルター級新人王でした。

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