ドラマ界の“伝説”佐々木昭一郎氏 「新作で映画に革命起こす」
結局、撮影期間を含め、公開まで5年を要したとか。
物語は韓国に住む少女が祖母が残した一枚の写真を手がかりに、祖母の親友だった日本人一家を訪ねるというもの。ソウルと日本を往還しながら、時空を超えて戦時下の一家の苦難も描き出す。
「戦時中に毎日新聞の記者だった父は反戦記事を書いたために社を追われ、私の目の前で謀殺ともいえる悲惨な最期を遂げました。映画にはそのエピソードも盛り込んでます。集団的自衛権などと騒いでる今の政府は、戦争を体験した私にとってみれば、戦争も知らないヤツが何を言う、フザケルナってなもんです」
■市井の人々を主役に
さて、佐々木さんは60年にNHKに入局。66年、寺山修司と組んだラジオドラマ「コメット・イケヤ」でイタリア賞グランプリを受賞したのを皮切りに、テレビドラマ「マザー」(71年)でモンテカルロ・テレビ祭賞金賞、「さすらい」(71年)で芸術祭大賞、「紅い花」(76年)で芸術祭大賞、国際エミー賞優秀作品賞、「四季・ユートピアノ」(80年)でイタリア賞グランプリ、「川の流れはバイオリンの音」(81年)で芸術祭大賞、同じ「川シリーズ」の「春・音の光 川」(84年)で毎日芸術賞と国内外の賞を総ナメにした。