“マチコ先生”の漫画家えびはら武司さん「幸運続きの人生で」
「ボクの人生、“たまたま”の幸運がいくつかありましてね。弟子にしていただこうと西新宿の藤子スタジオに行ったら、ちょうどお昼時で我孫子(素雄。藤子不二雄(A))先生もスタッフの方も出払っていて、藤本(弘。藤子・F・不二雄)先生がひとり、愛妻弁当を食べていらした。で、藤本先生が仕方なく、近所の喫茶店で面接してくださったんです。ボクはちょっとおとなしい、少女チックな藤本先生の絵柄が大好きだったから、すごくラッキーでした。おまけに入社できましたし」
■カタい社風の会社なのに掲載が決まり
去年から月刊誌「本当にあった愉快な話」(竹書房)で「まいっちんぐマンガ道」を連載しているが、これは藤子さんが描いていた「まんが道」を意識してとか。
「藤子先生との出会いから修業時代を描いてるうちに人気が出て、『藤子不二雄物語』になっちゃいそうな雰囲気です。いつになったら自分のことにたどりつくやら、ハハハ」
24歳で漫画家として独立したのも「幸運」があった。
「『マチコ先生のパンティ』って読み切り漫画を学研(学習研究社)に持ち込んだら、編集部にたまたま編集長しかいなくて、すぐに見てもらうことができ、会議を通すことなく掲載が決まりました。あそこはカタい会社でしょ。会議で検討されたりしてたら、どうなってたか分かりません」